Visit to Europe in Autumn

2022年 秋
写真家 南 佐和子
ベルギーのブルージュにて
私はいつも風景写真を撮影するときにマーキンスの自由雲台とL-プレートを使用している。
今回はヨーロッパの街撮りに使うので、GITZO GT1541T トラベラー三脚に合わせ、Q3iTR-BK トラベラーモデルの自由雲台とソニー α7 IIIを準備した。
勿論、α7 IIIには専用のL-プレート(PS-A9+LS-A9)を装着した状態でベルギー・フランスを巡ってきたが、この機材の組み合わせはコンパクトながら実によく活躍したと思う。
そこで、この組み合わせについて、まずはベルギーの有名観光地ブルージュでにて動画撮りをしてみた。残念ながら外付けのマイクではなく、おまけにオーバーツーリズムの騒音も入っている。それでも現場の雰囲気だけでも味わってもらえれば幸いである。
※ 再生されない場合はこちらからご覧下さい。
マーキンスのL-プレートは他社の物と比べてプレートが肉薄ながら剛性に優れており、カメラボディとの間に無駄なスペースがない。そのため手持ちのさいのフィット感が抜群なので、ソニー α7R IV用のものも気に入っているが、今回の取材のために追加したα7 IIIのL-プレートもやはり最高だ。
フランスのノルマンディにあるモンサンミシェルは、以前行った時とても混雑していて 中に入る気にならなかったのだが、今回は空いていたので要塞のような内部を 撮り歩いてみた。
手持ち撮影が苦手な私でも苦労なく撮影でき、とっさの撮影や歩きながらの時でも、 プレートゆえの違和感を感じることなく撮影を楽しむことができたからだ。
ノルマンディ
SONY α7 III / FE 16-35mm F2.8 GM / F16 1/40秒 ISO-400
ノルマンディ
SONY α7 III / FE 16-35mm F2.8 GM / F16 1/320秒 ISO-400
また三脚を使用しての撮影のさい、カメラを雲台に装着するときや横位置から縦位置に付け替えるときなど、手間取ることなく瞬時にできてしまうため、その様子を周囲の海外カメラマンにじっと見られ、質問を受けることも多かった。
(これは都市部で撮ることのない私にとっては初めての体験だった。)

アルカスイスと互換性のあるダブテールタイプの自由雲台を愛用する私にとって必需品とも言えるL-プレートは、光軸を変えることなく、横構図から縦構図に変えられる大きなメリットがあるのだが、そのことを知らないカメラマンがまだ多くいるのだと感じたひと時でもあった。
パリのデパート
SONY α7 III / FE 16-35mm F2.8 GM / F11 1/40秒 ISO-2000 -1EV
そして、フランス・ブルターニュ半島の西端にある「ラ岬」は今回どうしても訪ねたかった場所だった。 ところが到着した時は大雨のうえに風まで吹いている始末。当然ずぶ濡れになるのだが、意を決しショルダーバッグにカメラを入れて歩くこと20分、眼前の海で遭難した人々を見守るマリア像にたどり着いた。 この場所を訪れたこと、そしてこの光景を写真に収めることができたのは、私にとって何より嬉しい出来事だった。
マリア像
SONY α7 III / FE 24mm F2.8 G / F18 1/320秒 ISO-1250
翌日、同じ場所でGITZOトラベラー三脚をたて、雲台は勿論マーキンスのトラベラーモデル、ソニー α7R IVにFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS レンズを付けて海の夜明けを撮ったのだが、風も吹く中、この重量級の組み合わせにも全くブレを起こすことなく撮影できたのには少し驚いた。この時の様子は次の動画でご覧頂ける。
※ 再生されない場合はこちらからご覧下さい。
GITZOの三脚もマーキンスの自由雲台もコンパクトながら信頼のおけるもので、今回あらためてそれを実感した。旅に持っていく機材に迷われている方には、まさにピッタリでお勧めの組み合わせだ。
ブルターニュ
ブルターニュ
SONY α7 III / FE 24mm F2.8 G / F16 1/100秒 ISO-800 -0.7EV
パリ
SONY α7 III / FE 24mm F2.8 G / F13 1/60秒 ISO-400
パリのセーヌ川
SONY α7 III / FE 16-35mm F2.8 GM / F13 1/30秒 ISO-2500 -2.7EV
パリ北駅
SONY α7 III / FE 16-35mm F2.8 GM / F11 1/80秒 ISO-1250 -0.7EV
写真家 南佐和子
南 佐和子

慶應義塾大学卒、東京都在住。英語通訳として働きながら、2010年より風景写真を撮り始める。隔月刊「風景写真」誌上コンテストで切磋琢磨する一方、アイスランドの自然の魅力に取り付かれて、2019年2月富士フイルムフォトサロン東京にて個展「アイスランド 最果てのドラマ」を開催。大阪、名古屋と巡回展を行う。同時に「カメラと旅するアイスランド」(風景写真出版社)を出版。
現在は風景写真家として活動中。国内では、北海道東部の自然風景を撮り続けている。
2022年11月29日から6日間Nine Gallery(東京)にて個展「And Iceland Again」を開催予定。
日本写真家協会(JPS)会員

ウェブサイト: https://www.sawakominami.com/

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