使用・管理ノウハウ

自由雲台
  • ボール固定ノブとリミットダイヤルが回らない場合
    ボール固定ノブ(メインノブ)とリミットダイヤルの干渉により、ボール固定ノブが回らなくなるロック状態になった場合、それを解除する方法はボール固定ノブを時計回りにまわして、ボールを締め込むことです。
    これにより、リミットダイヤルの先端に押し付けられて動かなかった内部のリングが、リミットダイヤルから離れていきロックが解除されます。
    ロックを解除する手順は下記のとおりです。
    1. 次の写真のようにボール固定ノブを手のひらでしっかりと握り、時計回りにしっかりと力を込めてまわす。
      ※手でまわらない場合は ラバーベルトレンチ を使うと問題なくまわります
    2. リミットダイヤルを反時計回りに 0.5㎜ 程度浮き出るまでまわす。
    3. ボール固定ノブを反時計回りにまわす
    4. ボールとボール固定ノブが滑らかに動くか確認する

    もしラバーベルトレンチをお持ちでない場合、より力を込めやすくするために、ボール固定ノブをより大きなものにするイメージで布などを巻きつけてから、上記のとおり時計まわりにノブを回してみて下さい。
    リミットダイヤルを設定した状態でボール固定ノブ(メインノブ)を反時計回りに無理にまわすと、ロック状態がひどくなりますのでご留意下さい。
  • クイックシューが開かない場合
    レバーやノブを緩めてもシューが開かない場合、下記の原因によることがほとんどです。
    ・ シューの溝に異物が入り込んだ
    ・ シューの溝に汚れが付着した場合
    ・ シューのシャフトが曲がった
    まず、ブラシでシャフト溝を掃除して異物がある場合は取り除いてください。次に綿棒にWD-40を含ませ、上記写真のようにシュー溝の汚れを落として下さい。 WD-40の代わりに、消毒用アルコールで代用できる場合もありますが、WD-40のご使用をお勧め致します。
    万一、シャフトが曲がっている場合は、弊社までご連絡下さい。
  • パンニング固定ノブ
    パンニング固定ノブはボール固定ノブと違い、1/4回転するだけで固定および解除が可能です。また、無理な力が加わりますと故障の原因となりますので、プライヤーなどで回すことは基本的にしないで下さい。
    但し、パンニング固定ノブを時計まわりに一杯に回しているのにパンニングベースが固定されない場合は、ノブが一杯に緩んだ状態で固まってしまっている状態ですので、この場合に限りノブが損傷しないように布をあてた上からプライヤーなどを使って時計まわりにノブを回して下さい。間違って反時計まわりにプライヤーで回しますとノブが外れてしまいますのでご留意下さい。
    パンニングベースが正常に固定されるようになりましたら、以後、ノブを一杯に緩めることなくご使用下さい。
    パンニングノブは、固定するか緩めるかのどちらかで、適度なトルクをかける使い方には適しておりません。
  • 三脚への着脱
    自由雲台を通常よりも三脚にしっかりと固定したい場合や、その反対に固定がきつくて外れないといった場合に、ラバーベルトレンチを使用してみてください。
    雲台を載せるアッパーディスクはパンニングベースよりも若干小さい方が雲台を着脱するときに都合が良いのですが、アッパーディスクの方が大きい場合でも次の写真のようにラバーベルトレンチを巻きつけることができます。
    もちろんパンニングノブなどが干渉しますので、きれいに巻き付けることはできませんが、できるだけ接触面が広くなるように巻き付ければ問題ありません。
    写真の設定は ラバーベルトレンチ で自由雲台を外す場合となります
  • クイックシューの交換
    マーキンスのi-Type 自由雲台は、クイックシューがM6ネジで装着されていますので、お客様が直接クイックシューを交換することができますが、ねじ緩み止め接着剤が使用されていますので、しっかりと力が加えられる T 型 六角棒スパナ 4mm が必要となります。
    L型六角棒スパナですとネジをなめてしまう可能性が高く、一旦ナジ穴が潰れてしまった場合、交換は非常に面倒になりますのでご注意ください。
    T型 六角棒スパナをM6ネジにしっかりと差し込み、力を込めてネジを反時計まわりに回して下さい。この際、結構な力が必要ですので、雲台、スパナともにしっかりと握って作業して下さい。
    ネジが外れましたらクイックシューが外れますが、装着部がきつく外れにくい場合は、クイックシューを上下に振りながら引っ張り上げて下さい。
    動画
  • クリーニング
    Markinsの自由雲台は超精密部品で構成されている為、水・湿気・砂・埃・潤滑油等が流入した場合や、冬季の結露防止の為に次の要領でクリーニングしてください。クリーニングにより初期の円滑さが回復し、どのような悪条件においても最適な状態でご使用になることができます。手順は下記の通りです。
    1. リミットダイヤルを解除するために、まず、ボール固定ノブを時計回りに少しまわす
    2. リミットダイヤルを反時計回りに 0.5㎜ 程度浮き出るまでまわす
    3. ボールが円滑に回転するようにボール固定ノブを反時計回りにまわし、ボールの表面やまわりの溝、クイックシュー(クランプ)の溝に溜まった埃や異物をブラシなどで取り除く
    4. クイックシューを90度倒す
    5. 防錆潤滑剤のWD-40をボールの表面に塗布し、ボールを回転させながら、まんべんなくボールになじませる。WD-40がペン型の場合、直接ボールの表面に塗布しますが、スプレー型の場合は一旦、柔かい布に吹きかけ、その布でボールに塗布してください。
      WD-40pen
      WD-40
      ボールを回転させるときのポイントは、ボール固定ノブを軽く締め込み、少し抵抗のある状態にしてボールを回転させることで、ボールシートにこびり付いた汚れが取れやすくなります。
    6. ボールを何度か回転させた後、乾いたきれいな布で防錆潤滑剤を拭き取る
    雲台底のネジから錆がでる場合がありますが、このネジのところもWD-40で錆をきれいに拭き取って下さい。ご参考までに、急な場合は薬局で売っている消毒用のアルコールでもクリーニングできます。ただ、アルコールですので揮発性もあり簡単なクリーニングにはちょうど良いと思いますが、やはり錆止めにもなるWD-40を入手されて撮影(前)後にお手入れされることをお勧めします。
    他社製の自由雲台ではグリースを使用する商品もあるようですが、マーキンスの自由雲台にグリースを使用するとボールの動きが変になりますので絶対に使用しないで下さい。
  • 撮影後の保管時
    ボールの固定圧を初期のような状態で保つには、ボールをきつく固定せず、わずかに固定する程度にして保管して下さい。
    また、水に濡れたりした場合、乾燥は必要なのですが、あまり乾燥しすぎると、内部グリースの水分が全て抜けて問題が起きる可能性がありますので40-50%程度が適切です。
冬期での一般写真機器について
  • バッテリー
    写真機器でバッテリーを使うのは、カメラ・フラッシュ・モータードライブ・露出計などですが、寒い日はリチウム電池の使用をお勧めします。特に野外撮影の場合、新しい電池に交換するとともに、予備バッテリーの準備も必要で、しばらく機器を使用しない場合は、電池を取り出してポケットの中で少し温めてから使用するといったことで、バッテリーによる失敗を減らすことができます。
  • モータードライブ
    バッテリーの消耗が多いオートフォーカスの使用はなるべく自制されることをお勧めします。
    理由) レンズ内部のグリースが凍結して重くなり負荷が大きくなるため。
  • 機器の保管
    寒い日に最も気を使わなければなら機器は、カメラボディではなくレンズである。レンズは内部がガラスであり、また、このガラスがほとんど接合された群の形状をしており、レンズを支える鏡筒はアルミニウム・銅・プラスチックなどで、内外部の熱偏差係数が著しく異なるため、寒い天候のときは特に保温に気をつけて下さい。ボディーはバッテリーを取り外せば、ある程度までは大丈夫ですが、レンズは注意が必要です。また、液晶が内蔵された機器は、液晶の損傷に注意が必要です。
  • 撮影地での機器の保管
    寒い日の野外撮影後に撮影機器をバッグなどに収納しないまま屋内やレストランのようなところに持ち込むと、レンズ内部に結露が生じ、致命的になりかねませんので注意して下さい。 (結露が生じた場合は、直ぐに扇風機のようなもので乾燥させ、フィルタ以外のレンズの表面は拭かないこと) バッグやリュックサックに保管した機器は、屋内または暖房のきいた車の中などで取り出すと結露の原因になります。温度によっても違いますが、大まかに30分以上保管した後に取り出すのが安全です。もちろん外で取り出すのは大丈夫です。
    注意) 結露が生じたからとヒーターなどで乾燥させると、レンズ群が剥離されることがあります。
  • 外部バッテリーパック
    外部バッテリーパックの使用で長時間の撮影が可能だとしても、機器を寒いところに長時間露出して使用することは注意して下さい。
    理由) 液晶・グリース・金属と非金属の電子基板などが凍結により機器に無理が生じることがあります。
  • 三脚
    冬場の撮影では、三脚を長時間外に出しておくことが多いですが、手で持ち運ぶときは保護用のプロテクター(スポンジ・布など)を脚の一本くらいには巻いて持ち歩くと手のかじかみや凍傷の予防になります。また、雪に三脚を立てるとき、雪の上から三脚を雪の中に無理に押しつけていくと三脚が破損する可能性がありますので注意して下さい。

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