秋の屈斜路湖 私が三脚を使うとき

2022年 秋
自然写真家 小林義明
私の撮影スタイルはネイチャースナップと呼んでいて、手持ち撮影で身軽に撮影していくことが多い。そのため三脚を使うシーンは限られている。もちろん、三脚を使うメリットは理解しているが、高感度に優れ手ぶれ補正を搭載している現在のデジタルカメラで撮影するうえでは、機動性を優先したいと思っているからだ。

では、どんなときに三脚を使うのかというと、主に低速シャッターで撮影するときだ。どんなに優れた手ぶれ補正や高感度性能があっても手持ち撮影ができないこともある。水の流れを表現したり星の撮影では三脚が必要だ。
自然写真家 小林義明
Canon EOS R5 / SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | ART / F2 8秒 ISO-12800
天の川の撮影では、Q20i-BK の高いロック性能が重宝した。EOS R5の液晶を見やすい角度に動かすことがあるためこの時はL-プレートは外していたのだが、縦位置にするとカメラの重心がセンターからずれるので柔な雲台ではカメラをしっかり固定できなくなる。構図を合わせたと思っても、ロックして手を離すとカクンとずれてしまうことが多いのだ。
自然写真家 小林義明
だが、Q20i-BK は固定ノブを適度なトルクを残す程度に緩めて構図を微調整し、それから固定ノブを締めるとずれることなくカメラを固定できるので、スムーズに構図を決めることができた。ピタリと構図が決まる心地よさは一度使うと手放せなくなる。しっかり固定できるので、タイムラプス ※1 の撮影も安心してできた。
自然写真家 小林義明
Canon EOS R5 / RF24-240mm F4-6.3 IS USM / F11 1/20秒 ISO-200 / H&Y Hard GND8
ハーフNDを使った撮影でも三脚を利用した方がクオリティが上がる。H&YのハーフNDはマグネットでホルダーに固定できるため操作性に優れ手持ち撮影も可能だが、輝度の境目をしっかり見極めてフィルター位置を決めないと不自然な仕上がりになる。三脚でしっかり構図を決めた上で、適切な位置にフィルターをセットするのだ。レンズフードが使えないためハレ切りが必要になることも多く、片手を空けるためにも三脚を利用することも多い。
自然写真家 小林義明
雲海の広がる朝の景色ではハーフNDフィルターは必須のアクセサリー。しかし、ミラーレス機のファインダーでも仕上がりは分かりにくいので、少しずつ位置合わせすることで自然な仕上がりにすることができた。
自然写真家 小林義明
Nikon D500 / AF-S NIKKOR 200-500mm F5.6E ED VR / F8 1/1600秒 ISO-400
また、一か所でいきものの動きを待って撮影するときにも三脚があった方が有利だ。秋にはハクチョウが北から渡ってくるのだが、そこでハクチョウが動きだすのを待っているときに三脚は欠かせない。超望遠レンズを構えたままでは疲れてしまって、咄嗟のシャッターチャンスを逃しかねない。
自然写真家 小林義明
ここでは Q20i-BKBV-24 の組み合わせが重宝する。超望遠レンズで動きのない被写体を撮影するのならQ20iだけでも十分固定できるのだが、動きのある被写体を追うときには、自由雲台では水平を保つことが難しい。そこでBV-HEADを組み合わせると画面が傾くのを防げるので、構図も安定するのだ。コンパクトなので持ち歩いても邪魔にならず、ワンタッチで取り付け・取り外しができるのもいい。このとき三脚はレベラーを搭載したものがおすすめだ。
※1)前述のタイムラプス映像です。
自然写真家 小林義明
小林義明

1969年東京生まれ。東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ東京)卒業後フリー。小さな自然から広大な景色、野生動物など幅広く自然を撮影。2006年末より北海道へ移住し、「いのちの景色」をテーマに作品を撮影中。
ウェブサイト: www.nature-photo.jp

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