菅原貴徳 (BV-HEAD)


テーマ
野鳥・旅
撮影者
野鳥写真家 菅原貴徳
撮影日付
2018年3月
撮影場所
ノルウェー、ドイツ
撮影機材
マーキンス
Q20iQ-BK 自由雲台 / BV-24 BV-HEAD
PB-10 パンバー / PU-40 カメラプレート
PL-55 レンズプレート / PL-15N レンズプレート
オリンパス
OM-D E-M1 MarkⅡ
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL
ジッツオ
レビュー
SUGAWARA TAKANORI
菅原貴徳(すがわら たかのり)

1990年、東京都生まれ。
幼いときから生きものに興味を持ち、11歳で野鳥撮影をはじめる。 東京海洋大学在学中、ノルウェーに留学。帰国後、名古屋大学大学院で研究のかたわら写真家として活動をはじめる。卒業後、フリーの写真家となり現在に至る。日々、 国内外の各地を訪れては鳥たちの暮らす景色を切り取り続けている。

オリンパス・グローバル・プロ・サポート会員
日本自然科学写真協会(SSP) 会員
- 主な著書 -
  • 「鳴き声から調べる野鳥図鑑」 (文一総合出版、共著)
  • 「生き物の決定的瞬間を撮る」 (文一総合出版、共著)
BV-HEADとの出会い
フィルムの頃から一眼レフを使用してきたが、ここ数年はもっぱら、マイクロフォーサーズフォーマットのミラーレス一眼を使用して撮影に臨んでいる。撮影画角がレンズ表記の2倍の焦点距離に相当し、小さな小鳥を追う上でメリットが大きい。ただし、望遠にメリットがある一方で、その分ブレにはシビアだ。

これまで10年以上、パイプ径32mmの三脚に、1.2kgほどのビデオ雲台を乗せて使用していた。総重量は7kgを超える。しかし、近年のカメラ・レンズの軽量化に伴い、足回りも軽量なものを探す必要が生まれた。いうまでもなく、軽量な機材はフィールドワークの自由度を上げてくれる。その頃、知り合いの写真家に勧められたのがマーキンスBV-HEAD。小柄ながら、対荷重量50kgというスペックが目を引く雲台だ。

早速、手元の機材最重量のZUIKO DIGITAL ED 90-250mm F2.8を載せてみる。3kgを超える重さのレンズだが、ノブを緩めると自由に動き、少し締めると思った場所ですっと止まる。バランスを調整すると、ノブをきつく締めなくても止まるのには驚いた。素早く構図を整える必要のある、野鳥撮影にもバッチリだ。

さらに驚いたのは、重量級のレンズだけでなく、軽量の機材でも遜色なく使えること。一般的な大型雲台だと、軽い機材を載せた時に動きが硬く扱いづらいことが多い。その点、BV-HEADはフリクションコントロールをうまく使ってやることで、様々な重量の機材に対応できるのだ。これで飛んでいる鳥も追うことができる。
構図決定における三脚・雲台の重要性
確かに、レンズ、カメラ共に手ぶれ補正の性能は日々向上している。ブレを防ぐという意味だけであれば、年々三脚の必要性は減っていると思えるかもしれない。もちろん、手持ち撮影にもメリットがあるのは事実だ。

しかし、三脚・雲台には、構図を安定させる役割があるということも忘れてはならない。画面の隅々まで気を配り、より完成度の高い1枚を得るために必要なのだ。ミラーレスカメラに切り替えてしばらくは手持ち一辺倒だった筆者だが、最近になって三脚の使用頻度をあげているのは、手持ちでも手軽に撮影できるようになった分、詰めが甘いカットも増えてしまったように感じたからだ。

この辺りは、フィルムからデジタルに移行し、“1枚の重みが軽くなった”と言われるようになった感じと似ているかもしれない。時には基本に立ち返り、1回1回のシャッターに時間を費やす作業も必要なのだ。
旅×マーキンス
また、様々な撮影状況が予測される、長期の取材旅でもBV-HEADを使うメリットは大きい。

3月から1ヶ月半行った、ヨーロッパでの撮影を例に紹介しよう。野鳥撮影=超望遠レンズというイメージがあるが、場所によっては鳥に警戒されることなく、目の前で観察できる場合もあるので、そのような時には広角レンズを多用して環境も写し込むようにしている。もちろん、風景の撮影もしたい。そのため、あらゆる状況に対応できるよう、一番長いものでは500mm 、最短は8.5mmの魚眼レンズまで、計10本のレンズを用意した。

車を使わず、主な移動手段を公共交通機関に限定した今回の旅。付随する機材も、これら全てに幅広く対応できるだけのものが必要になる。三脚については、大は小を兼ねると割り切って1台にすることも可能だが、雲台に関してはそうはいかない。望遠レンズでは、重量のため首が横に傾く自由雲台は扱いづらい一方、広角・標準レンズを使った撮影では、画面の水平を保つことは極めて重要で、故に傾きを決められる自由雲台が逆に有効になるからだ。それが、マーキンスBV-HEADならビデオ雲台1台よりも軽量な1台で望遠レンズにも広角・標準レンズにも対応できるのだ。BV-HEADから自由雲台への切り替えがわずか数十秒でできるのは、素早い判断と準備が求められる野鳥撮影では大きなメリットだ。
markins head report
気温も、マイナス15度から20度まで、大きく変化した。そんな中、常に同じ感触で操作できたのは驚きだった。手袋をしたままでも操作に支障はない。ビデオ雲台ではないので、例えば水面をゆっくりと泳ぐカモを追うような場面では少し、画面がカクカクするが、パン棒を使用することでかなり改善される。また、一定速以上に飛ぶ鳥が相手であれば、パンを緩めることで問題なく追うことができる。
最後に
生き物を相手にさせてもらっている以上、撮影させてくれる彼らへの感謝を忘れたくない。せっかく許してくれたのなら、その機会を最大限に生かし、より完成度の高い写真を残して行きたい。

今回の旅を通して、期待した通りに様々な局面でマーキンス雲台に助けられた。おかげでたくさんの満足いく作品を残すことができ、披露する機会がいまから楽しみだ。つまりは、コンパクトないい雲台を探している方には自信を持ってお勧めできるということでもある。今後また、マーキンスとともに旅に出るのを楽しみにしている。
markins head report
■ 巣材を集めるシロカツオドリ
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + Teleconverter MC-14
F5.6 1/320秒 -1補正 ISO200
野鳥写真家 菅原貴徳 作例1
■ オオハシウミガラスの飛翔
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO + Teleconverter MC-14
F4.0 1/4000秒 ISO200
野鳥写真家 菅原貴徳 作例2
■ 水辺に佇むムラサキハマシギ
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ / KOWA PROMINAR 500mm F5.6 FL
F5.6 1/2000秒 -0.7補正 ISO250
野鳥写真家 菅原貴徳 作例3
■ 港の小屋に巣を構えたミツユビカモメ
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
F4 1/8000秒 -1補正 ISO200
野鳥写真家 菅原貴徳 作例4