中野耕志 (三脚ハブ)


テーマ
与那国島・石垣島 春の野鳥
撮影者
野鳥写真家 中野耕志
撮影日付
2018年3月
撮影場所
沖縄県 与那国島、石垣島
撮影機材
マーキンス
ニコン
D500
AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
AF-S Teleconverter TC-14EIII, TC-20EIII
ジッツオ
レビュー
NAKANO KOJI
中野耕志(なかの こうじ)

1972年生まれ。
野鳥や飛行機の撮影を得意とし、雑誌や広告を中心に作品を発表。
Birdscape~鳥のいる風景」、「Jetscape~飛行機の飛ぶ風景」の2大テーマを求めて国内外を飛び回る。
近著に「デジタルカメラによる野鳥の撮影テクニック」(誠文堂新光社)、「デジタルカメラ飛行機撮影術」(アストロアーツ)などがある。

日本写真家協会会員

ウェブサイト: www.strix-photography.com
野鳥撮影システム
野鳥撮影の必需品といえば、高性能一眼レフカメラと、500mm F4や600mm F4、さらには800mm F5.6といった大口径超望遠レンズの組み合わせであり、システム重量で4kg~6kg程度となる。この重量級の機材を載せるための三脚や雲台は相応のものが必要で、従来はカメラ・レンズと同等の重さの三脚・雲台を選ぶのがひとつの目安だった。カーボン素材が主流となってからというもの三脚の軽量化は著しく、超望遠レンズを載せるような大型三脚においては、同等の耐荷重を持つアルミ製三脚に比べて重量が半分近くにまでなっている。

一方で超望遠レンズを載せられる雲台はというと、いまだに重量2kg近くあるビデオ用雲台が主流である。ビデオ用雲台はたしかに被写体の動きに滑らかに追従できるが、スローシャッター時のブレ防止に強いわけでもなく、なにより重いので機動性を著しく失ってしまうのが難点だ。
マーキンス雲台との出会い
軽くて止まりの良い雲台はないものだろうか、手当たり次第にさまざまな雲台を試していた矢先、出会ったのがマーキンス Q20iQ-BK 自由雲台とBV-HEADの組み合わせだ。僕の現在のメインシステムは、ニコンD500と500mm F4+1.4倍テレコンバーターまたは2倍テレコンバーターの組み合わせで、これで1050mmまたは1500mm相当の画角が得られる。カメラとレンズの組み合わせは以前よりいくぶん軽量化できたが、それでもシステム重量は約4kgもある。単に重いだけでなくレンズの長さがあるので、機材を前後に傾けて重心が変わったときでもしっかりと支えてくれる頑丈さを雲台には求められる。マーキンス Q20iQ-BKBV-HEADは重量たった800gながら、この超望遠レンズの重さを軽々と受け止めてくれる。BV-HEADは自由雲台の動きをピッチ方向のみに制限するものだが、ロール方向の水平出しは超望遠レンズの三脚座固定ネジを緩めることで調節できるので、必要以上に雲台が動かないこの機構が超望遠レンズの取り回しに最適なのである。

とくに気に入っているのはカメラ・レンズを三脚・雲台にセットした状態で三脚を担いで歩き回っても、どこも緩まないことである。大きな荷重がかかったときに緩みやすい雲台では、撮影時の安定感に欠けるのはもちろん、機材落下や手や首を挟む危険性すらある。この軽さと頑丈さ、そして使いやすさを兼ね備えたマーキンスの雲台は、僕の撮影に欠かせないアイテムになっており、かれこれ3年間この雲台とともに日本全国はもとより世界中を旅しているが、性能の低下は見られない。
三脚ハブ TH-230
撮影機材の更新や自身の撮影スタイルの変化にともない三脚システムを見直した結果、遠征用三脚をこれまでのジッツオ3型からジッツオ2型にダウンサイズすることにした。このたび遠征用に選んだ三脚はGT2542で、これまで僕が使ってきた三脚のなかではもっとも小型軽量なモデルだが、500mm F4レンズを載せても安定性は良さそうだ。しかしこの三脚の唯一気に入らない点は三脚ハブ周りである。この三脚はセンターポールを外せるためローアングル化および軽量化できるが、やや腰高なのと雲台接続部がガタつく不安は否めない。そこでマーキンスの三脚ハブ TH-230に換装したところ、無駄な可動部は無くなり剛性感が増したうえ、約200gも軽量化された。ローアングル撮影時の最低高もノーマルの15cmから9cmに下がっており、地面や水面にいる野鳥を撮影する際に、より地面に近いアングルを狙えるようになったのは大きなメリットだ。
markins TH-230
markins TH-230
BV-HEAD(BV-24)とパンバー
またこれまで使用していたBV-HEADを、BV-22からBV-24に換装した。これは新たに開発されたPB-10パンバーを装着するためだ。パンバーの取り付け角度は変更できるのはもちろん、自由雲台のボール固定ノブを手前側にした状態でも、レンズ側に向けた状態でも、パンバーの向きを手前にして取り付けることができる。このパンバーをBV-HEADに装着することで、ビデオ撮影時や野鳥観察用のスポッティングスコープ使用時に、雲台を滑らかに動かせるようになった。

これまでは写真用、ビデオ用、スポッティングスコープ用と、用途に応じて雲台をいくつも用意していたのだが、ますますマーキンスの雲台システムの使用頻度が上がりそうだ。
マーキンス パンバー PB-10

markins system report

■ クロサギ白色型
ニコン D500 / AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR / AF-S Teleconverter TC-14EIII
F6.7 1/1000秒 ISO200
野鳥写真家 中野耕志 作例1 クロサギ白色型
■ アオアシシギ
ニコン D500 / AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR / AF-S Teleconverter TC-14EIII
F5.6 1/750秒 ISO400
野鳥写真家 中野耕志 作例2 アオアシシギ
■ カンムリワシ
ニコン D500 / AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR
F4 1/125秒 ISO400
野鳥写真家 中野耕志 作例3 カンムリワシ
■ ツバメチドリ
ニコン D500 / AF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR / AF-S Teleconverter TC-20EIII
F11 1/350秒 ISO400
野鳥写真家 中野耕志 作例4 ツバメチドリ



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