変わりゆく季節の中で・・・

2022年 秋
写真家 山本 学
2022年度の紅葉はほぼ例年通りに色づき、美しい錦秋を撮影出来た様に思います。
北海道・福島県・長野県・愛知県・大阪府・奈良県・兵庫県・滋賀県・三重県・京都府をマーキンス自由雲台 Q10i-RDと共に取材をしてまいりました。
Canon EOS R5 / RF70-200mm F2.8 L IS USM / F16 1/5秒 ISO-400
マーキンス自由雲台を使い始めて4年が経過しました。その間オーバーホールを2回お願いしましたが、その度に新品同様に蘇って来ました。以前使用していたものはボールにグリスを薄く塗っても直ぐに削れて使いものにならなくなり新品を購入する事になりましたが、マーキンス自由雲台は少し高価なものの削れる事もなく、長く愛用が出来るのも魅力の1つです。これまで手入れはタオルで拭くなどほぼしていませんが、何事もなく使用出来ています。

カメラもレンズもミラーレス化でコンパクト・軽量化が進んでいますが、使用している機材はより良い映像を求めるので、ある程度は重量があるものの、愛用の Q10i-RDは見た目からは想像が出来ないほど小さいながらも重量級で長尺の機材をしっかり受け止めてくれます。例えば、EOS R3 + RF100-500mm + エクステンダー2× を使用時に角度を付けていてもピタッと一発で構図が決まります。精密度が高く、後から前にお辞儀していく事もないので安定感はバツグンです。

ボールを固定するノブやクイックシュー固定ノブにもゴムが巻かれており、滑りやすい雨降りの現場やグローブをしている冬の寒い時にもしっかりと固定が出来ます。ノブは半回転でプレートを固定出来るので素早く装着脱着しやすいです。
安全ピンもあるので、カメラやレンズを装着したプレート落下防止にも役に立ちます。風景写真を撮影する私の場合、真冬の極寒の地でも真夏の南の島での取材も土砂降りの雨の中でも不憫なく固定が出来る、正に信頼が置けるプロフェッショナルな機材なのです。
Canon EOS R5 / RF70-200mm F2.8 L IS USM / F8 1/1000秒 ISO-20000
最近のカメラはISO感度の性能が良くなり、ISOを上げて手持ち撮影をする方が多くいらっしゃり、また場所によっては三脚が使用出来ない所もあります。そういう理由もあってか、残念ながら三脚を利用する方が減っています。
が、面倒ながら三脚を使用しないと撮影が出来ない被写体って一杯あります!じっくりと被写体に向き合うのも大事なのです。
・ISO感度を出来るだけ低く撮影したい
・絞りを絞って撮影する事も多い
・長時間露光での撮影
などなど..。

"ブレる" と "ブラす" は違う・・・。撮影者が意図的に被写体ブレをさせるスローシャッターは雲台の重要な役目です。当たり前の事ですが、雲台の止まりが悪ければ "ブレる" になってしまいます。
となりますとしっかりとした三脚も大事ですが、カメラの重さをしっかりと受け止める雲台が大事です。マーキンスはそれらを受け止めてくれるので、とっても頼りにしています。
Canon EOS R5 / RF24-70mm F2.8 L IS USM / F16 1/320秒 ISO-3200
マーキンスに特段不満はないのですが、あえてリクエストをするならば、ミラーレスカメラでのバリアングル撮影が多い昨今は雲台の向きを上向きにして撮影する事もあるので、切れ込みが反対側にも有ればと思いますが、その分、強度を補うために雲台が大きく重くなることを考えるとやはり実現は簡単ではないのかもしれません。
そして、今や欠かせないものはL型プレート。現在使っているものは専用設計で超広角レンズを使用時にバリアングルをフルに使用出来て便利で安心です。ただ機種によってはリモートスイッチを装着するのに少々ずらして固定する必要があるので、今後そういう点も改良されたら良いと思います。
最後に、今回レポートを書く事でマーキンスの素晴らしさを改めて感じる事が出来ました。
写真家 山本学
山本 学

1975年兵庫県宝塚市生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。卒業後、同大学同学科研修室に勤務。在学中より写真家高田誠三氏に師事。現在はフリーランス。日々作品制作をする傍ら、キヤノンEOS学園など多くの写真教室やクラブでアマチュア指導にも力を入れている。また市展や観光コンテストなどの審査員も歴任している。
日本写真家協会(JPS)会員
日本旅行写真家協会(JTPA)正会員
日本風景写真家協会(JSPA)会員

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