The Challenge of Shooting Movie

2023年04月 動画撮影への挑戦
写真家 中西敏貴
自然動画の撮影は数年前から続けてきたが、特に発表することもなくその可能性を探り続けるだけに留まっていた。ところが、Canon EOS R5の登場によって8K動画が撮影できるようになり、いよいよ本格的に取り組もうと思考をシフトすることに。

ジンバルを使って撮影するような動画とは少し異なるイメージで、これまで静止画として表現してきた延長として、自然の姿を見せようという取り組みだ。

雪の降る日、風の吹く日、光り輝く海といった場面では、静止画でしか表現できないもどかしさを感じていたのは事実で、自然が動いている様子を捉えるためにも、動画表現の可能性をさらに深く探ることにした。
動画撮影といえば、パンやチルトを使って映像に動きを出す手法が一般的だが、それでは動画のプロに敵うはずもない。そこで、フレーミングは固定のまま自然の方が動いているシーンを撮影することに。

幸いなことに、普段から撮影で使用しているマーキンスの雲台は十分な安定感があるので、動画用に特別な機材をそろえる必要もないというのも決め手となった。

もちろん、パンやチルトを利用した撮影に適した雲台もマーキンスには用意されているので、目的に応じて使い分けてほしい。
撮影にあたっては、普段の静止画撮影と違う視点が必要になった。自然は止まっているようで動いているのは周知の事実だが、それでもある程度の大きな動きがないと動画として成立しないからだ。

そのためには、積極的に風の強い日や雪の降る日などを選ぶようにした。静止画撮影ではブレが心配になるような場面こそ、自然動画に向いているといってもいいだろう。
海などは格好のモチーフだ。寄せては返す波は動画向きであるし、日の出に煌めく水面の美しさは、静止画よりも動画のほうが伝わるかもしれない。

鳥が飛び交い、船が日の出の中を出港していく。カメラを動かさなくとも、モチーフがしっかりと仕事をしてくれるのだ。ただし風は強いため、安定した雲台が必要なのは言うまでもない。
冬の朝、強い風で稜線の雲が流れている様も美しい。厳しい冷え込みで見られるダイヤモンドダストも、静止画よりリアルに伝えることができるだろう。

もちろん撮影スタイルは静止画と変わらない。いつも通りのマーキンスにカメラをセットし、RECボタンを押すだけだ。風の強い日などは車の影などで防風をする必要はあるが、基本的な撮影はスチール撮影の延長で行える。
今回の現場便りではこの冬に撮影したいくつかの動画をご覧いただこう。残念ながら8Kの配信ができるわけではないが、普段の撮影と何ら変わることなく8K動画撮影していることがおわかりいただけるのではないだろうか。
※ 再生されない場合はこちらからご覧下さい。
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写真家 中西敏貴
中西敏貴
1971年大阪生まれ。2012年に撮影拠点である美瑛町へ移住。大雪山系とその麓に 広がる丘陵風景をメインフィールドとしつつ、北海道で生きてきた人々と自然との 関わり方を探求する旅も同時に続けている。2020年9月、キヤノンギャラリーSに おいて写真展「Kamuy」を開催。
日本写真家協会会員、日本風景写真家協会会員、 日本風景写真協会指導会員、Markins アンバサダー、Mind Shift GEAR アンバサダー
ウェブサイト: www.toshikinakanishi.com

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