佐藤尚 (自由雲台)


テーマ
里の風景
撮影者
風景写真家・佐藤尚
撮影日付
2017年9-11月
撮影場所
新潟、福島、山形、三重
撮影機材
マーキンス
FUJIFILM
X-T2
XF16-55mmF2.8 R LM WR
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
ベルボン
GEO N730
レビュー
風景写真家 佐藤尚
佐藤尚 (さとう たかし)
1963年福井県生まれ。 1984年東京写真専門学校卒業後、山岳写真家・風見武秀氏に師事。 1990年にフリーとなり、日本各地の農村風景、自然風景、などを対象に撮影を続け、新潟県魚沼、埼玉県見沼田んぼ、をライフワークとして取材している。近年は、47都道府県の懐かしくほっとする一味違う日本の原風景を撮影している。主に、雑誌、業界誌、カレンダーなどに作品を発表。その傍ら、写真ワークショップ「里ほっと」を地元埼玉県で開いている。
日本写真家協会会員
日本風景写真家協会会員
- 主な写真展 -
2003年
「こころの故郷-越後魚沼の情景」ペンタックスフォーラム
2011年
「こころの故郷-魚沼の風景を撮る」CoZAの間
2014年
「里の風景」フジフイルムスクエア
2015年
「里の風景」富士フォトサロン 名古屋/福岡/調布/仙台
2015年
「In the Heart of Japan」モントリオール市立植物園
2017年
「47 ぼくのより道~ガイドブックにないニッポン探訪」フジフイルムスクエア
- 写真集 -
  • 「こころの故郷-魚沼の風景を撮る」(恒文社)
  • 「47 サトタビ」(風景写真出版)
ウェブサイト: http://www.satophoto.net/
撮影スタイルの変化
長年、風景写真を職業にしてきました。これまで数多くのカメラが発売されましたが、私もその時代により、いろいろなカメラを持ち替えてシャッターを切ってきました。

フリーランスになって、最初に使い始めたのが4×5サイズの大判カメラでした。主に海・山・都会などの名所旧跡の観光写真を1枚1枚じっくり写すスタイルです。そのうちに中判カメラ645サイズも使用するようになり、ズームレンズを有効的に使うことで作品バリエーションを増やしてきました。

そして10年ほど前、ちょうどデジタルカメラが一気に普及しはじめた頃から35mmサイズの小型カメラをメインとして使い始め、現在はFUJIFILMのXシリーズをメインにしています。

フイルムからデジタルに変えたことで撮影対象が一気に広がり、様々な被写体に対して、より多くシャッターを追求するようになりました。同時に失敗を学びとして何にでもカメラを向けるようになったのです。

このように、カメラを大・中判から35mmサイズに変えたことで、私の撮影スタイルは大きく変わりました。

次に、雲台でも同様の変化がありました。自由雲台に変えるきっかけは、写真家の友人の勧めですが、若干の躊躇もありました。というのも、自由雲台がカメラ店に並ぶのを目にしても、山登りなどで負担になる機材重量を少しでも減らすためのもので、それ以外の利点はないだろうと決め込んでいたからです。

しかし、実際に自由雲台を試してみると風景写真との相性がいいことは直ぐに分かりました。操作はまず、右手でカメラ、左手で雲台のつまみを握り、わずかな動作で構図を探って、決まったら大きなつまみをキュッと締めてシャッターを切る。これだけです。少し心配だった水平の操作も問題ありませんでした。

直感的な動きで構図が探れるようになり、私の撮影スタイルはまた変わったのです。
マーキンスの自由雲台
私はこれまで、いろいろなメーカーの自由雲台を使ってきましたが、今回、「軽くて良く止まるから」と勧められて使ってみたのがマーキンスです。

ボールを固定する大きなつまみをキュッと締めてシャッターを切る。多分、この仕組みはどの自由雲台も同じだと思います。マーキンスはこのつまみを軽く締めるだけでしっかり固定され、カメラがフニャリと首を垂れることはありませんが、これまで使っていた自由雲台では、このフニャリが何度かあったのです。

しかも、マーキンスは軽いのです。雲台が重いと三脚を持ち歩くときに重心が片寄って負担になるので、この軽さは非常に嬉しいのです。

また、ボールを固定する大きなつまみとパンニングを固定する小さなつまみの位置が近いことも気に入りました。少しだけ横に振りたいという時に小さなつまみを緩めて左右を微調整する。最初に水平を合わせておけば、水平のまま左右にわずかに動かすことも片手操作で可能です。だから私は、大小二つのつまみを左手で操作しやすい位置にして使っています。
アルカスイス互換 マーキンス 自由雲台
アルカスイス互換
マーキンスはアルカスイス互換なので、すでに持っている他社のX-T2 専用プレートが使えるのですが、雲台に合わせてマーキンスのL-プレートを使ってみることにしました。X-T2用のマーキンスのプレートは他のカメラでも使える汎用タイプなので、これまで使っていた専用プレートに対して、どう違うのかも関心のひとつでした。

L-プレートについてですが、縦位置にするのが素早くできて、しかも、光軸が変わらないので都合がいいです。これは、多くのユーザーが必ず感じる便利なことですが、そのほかにも副産物があるのです。それは、縦位置の写真が増えるということです。縦位置の写真は撮影時の視野が広がることにもなり、結果、作品力の向上にも繋がります。

今回使用したマーキンスの "PV-80 + LV-170 汎用 L-プレート セット" は、汎用タイプですが、ブレることもなくしっかり使えます。ただ、X-T2のバッテリーカバーに被らないサイズなので、結果、ボディーとサブプレートとの間を十分に離すことができないのが悩みどころではありますが、そこは汎用タイプということで上手に使うしかないですね。私の場合、縦位置でレリーズケーブルがなるべく干渉しないように、装着方法を工夫して使っています。
変化により得られたもの
軽量コンパクトなカメラは被写体との距離を縮めてくれました。だからその分、"人も植物も風景も笑顔を返してくれる" そんな風に感じられるのです。故に、雲台も軽量コンパクトなものを私は求めていたのです。

持ち運ぶ機材がスリムになれば、その分、被写体に近づきやすくなるからです。カメラがフイルムからデジタルになり使用するカメラも撮影スタイルも変わりました。

雲台だって変わるのは当然なのです。マーキンスを使うことで雲台も軽量コンパクトになりました。被写体との距離が更に縮まったと感じる今日この頃です。
風景写真家 佐藤尚
田んぼに訪れた朝 (福島県喜多方市)

≪撮影データ≫
FUJIFILM X-T2・XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
絞り優先AE(F14・1/340秒) -1.3EV ISO400 WB晴天
写真家 佐藤尚 作例
山をゆく鉄塔 (福島県只見町)

≪撮影データ≫
FUJIFILM X-T2・XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
絞り優先AE(F9・1/80秒) -1.7EV ISO200 WB晴天
写真家 佐藤尚 作例
天空の展望台 (新潟県南魚沼市)

≪撮影データ≫
FUJIFILM X-T2・XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
絞り優先AE(F8・1/2400秒) +-0EV ISO400 WB晴天
写真家 佐藤尚 作例
田んぼへ抜ける道 (新潟県長岡市)

≪撮影データ≫
FUJIFILM X-T2・XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
絞り優先AE(F10・1/100秒) -2.3EV ISO400 WB晴天
写真家 佐藤尚 作例



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