助川康史 (自由雲台)


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テーマ
鉄道写真
撮影者
鉄道写真家 助川康史
撮影日付
2018年7月‐9月
撮影場所
JR総武本線(千葉県) JR小海線(山梨県) JR山陰本線(山口県)
撮影機材
マーキンス
Q20i-BK 自由雲台
LN-850G SET L-プレート
LN-20 レンズフット
PL-85 レンズプレート
ニコン
D850
Z7(マウントアダプターFTZ使用)
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
ハスキー
4段
レビュー
鉄道写真家 助川康史
助川康史 (すけがわやすふみ)

1975年生まれ
秋田経済法科大学法学部卒業
東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、鉄道写真家の真島満秀氏を師事。
(有)マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ勤務。
鉄道車両が持つ魅力だけでなく、鉄道を取りまく風土やそこに生きる人々の美しさを伝えることをモットーに日本各地の線路際をカメラ片手に奮闘中。
鉄道ダイヤ情報(交通新聞社)や鉄道ジャーナル(鉄道ジャーナル社)などの鉄道趣味誌や旅行誌の取材をはじめ、JTB時刻表(JTBパブリッシング)やJR時刻表(交通新聞社)の表紙写真を手掛ける。またJR東日本などの鉄道会社のポスターの撮影も精力的に行っている。
日本鉄道写真作家協会(JRPS)理事
ウェブサイト: http://sukeyasu2450.blog.fc2.com/
鉄道と三脚と私
幼いころから生粋の鉄道少年で、鉄道写真を始めたのが小学2年生の頃。父親の一眼レフを半ば強引に借りて撮影に出ていたが、これまた一丁前に三脚も父親から借りていたので三脚使用歴も34年を越えている。鉄道写真を嗜む人たちには手持ち派、三脚派と分かれているようだが、私の場合は三脚派だ。記録的要素の強い列車中心の「編成写真」の撮影では線路に近づくことが難しく、移動も限られた撮影地が多いため必然的に望遠レンズでの撮影が多くなる。特に電化区間は電柱と電柱の間から狙うなど、針の穴を通すような正確なフレーミングが必要なので、幼いころから三脚を使った撮影がベストだと感じていた。その考えは今も全く変わらず、三脚が禁止の場所は別として、撮影で三脚が無いと不安に感じてしまうほどだ。ただ今まで一貫して使っていたのが3ウェイ雲台の三脚。最初に使用して慣れていたのが3ウェイ雲台タイプだったということもあるが、やはり正確に微調整ができるというのが長く続けてきた理由だ。自由雲台の魅力も感じていたが、手軽だけに正確性に欠けるようなイメージが先行してしまっていた。もちろん高性能な自由雲台も市場にはあったが、それは重く、何より貧乏学生だった私には高嶺の花というのが正直なところだった。
マーキンスと出会う
プロの鉄道写真家となってからも続いた3ウェイ雲台へのこだわり。これで十分と思っていた中、山陰地方のとある撮影現場でマーキンス自由雲台Q20iQ-BKを使用している方と話す機会があった。第一印象はコンパクトであるということ。耐久性を聞いてみると、このサイズでも耐荷重量は50㎏というのだから正直驚いた。やや大きめの望遠ズームレンズが付いていたが動作が滑らかで、スッとアングルを決める動きにも目を見張るものが有った。それ以来気になっていたマーキンスの自由雲台だが、ほどなくして私の手元にQ20i-BKが届いたのだからあれはまさに運命的な出会いだったかもしれない。
マーキンス 自由雲台
マーキンス自由雲台の使用感
実際に使うとやはりあの滑らかな動きは素晴らしく、アングル決定も迅速だ。重量のある超望遠ズームレンズのニコン AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRを装着しても適度なフリクションを残すことで微妙なアングル調整も容易にできる。重量の違う超広角ズームレンズのAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDやAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRを使う機会も多いので普段はリミットダイヤルを使ったフリクション制限をかける設定にしていないが、それでもメインノブを半回転させれば十分なフリクションがかかり、3/4回転もすればしっかり締まるのでメインノブの戻しすぎを考慮しても迅速性は十分。クイックシュー部もがっちり挟み込むタイプなので、一般的なクイックシューにありがちな着脱部のガタつきが全くない。列車ごとに撮影地を変えてカット数を多く撮らなくてはならない鉄道撮影や取材では、移動して現場に到着するのが列車通過前ギリギリになることも少なくない。そのような状況下では三脚のセッティングが間に合わないことを恐れて手持ち撮影していたが、着脱とフレーミングが迅速で信頼できる雲台・三脚システムが構築されたことで私の撮影スタイルも大きく変わった。

また私の得意とする流し撮りでもQ20i-BK自由雲台は見事な対応力を見せてくれる。パノラマ撮影用のパンニングベースが実は水平方向の流し撮りに威力を発揮してくれるのだ。3ウェイ雲台の三脚を使った流し撮りではスイング方向の締めつけ部を緩めて回していたのだが、ガタつきが出てしまい滑らかに回らない。時には引っ掛かりまで出てしまう。しかしQ20i-BK自由雲台のパンニングベースは非常に滑らかに回るので流し撮りにももってこいなのだ。

もちろん全国各地の絶景や風土と絡めた鉄道風景写真撮影にもQ20i-BK自由雲台は真価を発揮する。迅速で厳密なフレーミングは写真を作品に昇華するうえで重要なテクニックであり、そのため画面構成にこだわりができる。またそのこだわりのフレーミングをしっかり固定できれば、シャッターチャンスのみに集中でき、的確なショットが可能となる。それは素晴らしい作品を生むきっかけとなり、また新たに写真を楽しむ原動力となるだろう。

三脚を迅速かつ的確に操ることを可能とするQ20i-BK自由雲台は一期一会の輝く瞬景の一枚を生み出す しるべとなるに違いない。

カメラやレンズはもちろん大切だが、三脚や雲台も是非「相棒」と言える最高のツールを見つけ出してほしい。
マーキンス 自由雲台 レビュー
■ 潮風と戯れる
ニコン D850 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
F8 1/1250秒 ISO400
鉄道写真家 助川康史 作例1
■ 茜さす刻
ニコン D850 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
F8 1/1250秒 ISO400
鉄道写真家 助川康史 作例2
■ 晴天薫風
ニコン D850 / AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
F13 1/640秒 ISO200 ハーフNDフィルター使用
鉄道写真家 助川康史 作例3
■ 韋駄天のごとく
ニコン Z 7 / AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
F18 1/30秒 ISO64
鉄道写真家 助川康史 作例4
鉄道写真家 助川康史
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