Yoshiaki Kobayashi (Markins BV-HEAD)


テーマ
野鳥の流し撮り
撮影者
写真家 小林義明
撮影日付
2017年10月~2018年1月
撮影場所
釧路周辺
撮影機材
マーキンス
ニコン
D500
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
キヤノン
EOS 7D MarkII
タムロン
SP150-600mmF5-6.3Di VC USD G2
マンフロット
755XB
レビュー
写真家 小林義明
小林義明 (こばやし よしあき)
1969年東京生まれ。東京写真専門学校(現・ビジュアルアーツ東京)卒業後フリー。小さな自然から広大な景色、野生動物など幅広く自然を撮影。2006年末より北海道へ移住し、「いのちの景色」をテーマに作品を撮影中。
- 写真展 -
  • 2017年 「光の色・風の色2」 (リコーイメージングスクエア新宿・大阪)
  • 2012年 「いのちの景色 北の大地から」 (四谷・ポートレートギャラリー)
  • 2012年 「いのちの景色 タンチョウ物語」 (フォトギャラリーUC)
- 写真集 -
  • 「いのちの景色 釧路湿原」(風景写真出版)
  • 「Small Life -わが庭の仲間たち-」(日本写真企画)
ウェブサイト: http://www.nature-photo.jp/
マーキンスのBV-HEADについて

良く止まる扱いやすい自由雲台としてマーキンスは他にない満足度を与えてくれた。適度にフリクションをかけることで微妙な構図調整も楽に行え、風景やマクロ撮影では手放せないものになっている。

だが、マーキンスの優れたところはそれだけでなく、変幻自在の扱いやすさにある。私が北海道に移住したのは野生動物を撮影したかったからで、そのような撮影では超望遠レンズが必須となる。超望遠レンズで三脚使用時に適した雲台は自由雲台ではなく2ウェイまたは3ウェイ雲台となる。風景やマクロでは自由自在に角度を変えられる自由雲台が便利なのだが、超望遠レンズで動く被写体を追っていると、自由雲台では水平が傾いてしまうことが多いためだ。そのため、以前は自由雲台をつけた三脚と3ウェイ雲台をつけた三脚の2本を車に積んでいた。両方の撮影が予想される場合は、どちらかに割り切って持って行くことが多く、結果的に不便に感じていた。

しかし、マーキンスの自由雲台にBV-HEADを組み合わせれば、ワンタッチで自由雲台から2ウェイ雲台に切り替えることができる。しかもBV-HEADはつけているのが気にならないほどコンパクトで、持ち運びも楽だ。一般的なビデオ雲台はサイズや重量の面でかなりかさばるので、三脚もそれなりのサイズのものが必要になる。軽量コンパクトなマーキンスならそれほど大きな三脚を使わなくても十分で、機動性に優れた三脚システムを構築できるのだ。また、動体撮影ではとっさに手持ち撮影に切り替えたくなることもあるが、ノブですぐにカメラを取り外すことができシャッターチャンスを逃すこともない。

BV-HEADを手に入れてからは、マンフロットの755XBという三脚を利用している。なぜこの三脚なのかというと、BV-HEADの特性を最大限に発揮するためだ。755XBは055というアルミ三脚のエレベータ部分にレベラー機能を持たせたビデオ用三脚で、軽くて持ち運びしやすくマーキンスとの相性が良い。このレベラー搭載というのがポイントで、一般的なレベラーを搭載した三脚は大型のものが多く機動性に欠ける。しかしレベラーがついていないと、雲台部分を水平にセッティングすることができず、パンしたときに画面が傾いてしまう。2ウェイや3ウェイ雲台では雲台の水平がきちんと出ていてこそ真価を発揮できるのだ。ジッツオなどの大型三脚に比べると華奢に感じるかもしれないが、200-500mmのような超望遠ズームが主体なので十分なのだ。

写真家 小林義明
パン棒について

動体撮影をするときに三脚を使うと、実は不便に感じることがある。それは三脚を軸にしてカメラを動かすため、自分が三脚の周りを移動しなければいけないのだ。そのため大きくカメラを振ると自分の移動が追いつかずスムーズに被写体を追えないことがある。手持ち撮影なら自分が軸となるので、かなり広い範囲を追うことが可能だ。

BV-HEADのみで動体を撮影しているときは、左手をレンズに添えて手持ち撮影のようなスタイルでカメラを構えていた。だが、この姿勢ではカメラを抱え込むような状態になるためパンしたときに体の移動が難しく、動きがスムーズに行えないように感じていた。

そこで新製品のPB-10 BV-HEAD用パンバーを試してみると、左手が手前に来ることで体の姿勢が楽になり、スムーズに操作できるようになった。バーの長さも適度でズーム操作をするときにも体に当たることなく快適。取り付け角度も調整ができるので、好みの位置にセッティングできる。必要なければワンタッチで取り外せる。

パンさせるときにはパン側のネジを少し締めておき、適度なフリクションがかかるようにしておくとうまく被写体を追従できるように感じた。また、いまは実施していないが、リモートスイッチをパンバーにつければ左手側でレリーズができるようになり、片手での撮影や右手をズーム操作に当てることもできそうだ。

今回はパンバーを使ってハクチョウやタンチョウの流し撮りに挑戦してみた。鳥は電車や飛行機ほど直線的な動きをしないのでビシッと止めることが難しい被写体だが、安定した追尾ができるようになったおかげで成功率を高めることができた。

変幻自在のマーキンスはあらゆる撮影に対応できる優れた雲台だ。

写真家 小林義明
■ 風になる
キヤノン EOS 7D Mark II、 タムロン SP150-600mmF5-6.3Di VC USD G2
F16 1/30秒 ISO200 WB太陽光
小林義明
■ 羽音
キヤノン EOS 7D Mark II、 タムロン SP150-600mmF5-6.3Di VC USD G2
F16 1/30秒 ISO200  WB太陽光
小林義明
■ 白鳥夢
ニコン D500、 AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
F22 1/3秒 +0.7EV ISO50 WB太陽光
小林義明
■ 南へ
ニコン D500、 AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
F10 1/800秒 +0.7EV ISO400 WB太陽光
小林義明



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