Yukihiro Fukuda (Markins BV-HEAD)
テーマ
生きものを撮る
撮影者
写真家・福田幸広
撮影日付
2016年1月~3月
撮影場所
中国山地
撮影機材
マーキンス
キヤノン
EOS 7D MarkII、EF500mm F4L IS II USM
EOS 5D MarkIII、EF24-70mm F4L IS USM
EOS 5Ds、EF16-35mm F4L IS USM
EOS 5D MarkIII、EF24-70mm F4L IS USM
EOS 5Ds、EF16-35mm F4L IS USM
ジッツオ
GT3542LS
レビュー
福田幸広 (ふくだ ゆきひろ)
動物写真家 「山もいいけど海もいい!」をモットーに好きな動物たちのいる場所で心行くまで楽しむスタイルを貫く。2015年には撮影期間が6年間におよんだオオサンショウウオの写真絵本が小学館児童出版文化賞を受賞。この春、240ページの大型写真集「動物たちのしあわせの瞬間」をナショナルジオグラフィックから発刊。現在はニホンアナグマを集中取材中。学術的に多くの貴重なシーンの撮影に成功している。
ウェブサイト: https://topoutimages.com/
動物写真家 「山もいいけど海もいい!」をモットーに好きな動物たちのいる場所で心行くまで楽しむスタイルを貫く。2015年には撮影期間が6年間におよんだオオサンショウウオの写真絵本が小学館児童出版文化賞を受賞。この春、240ページの大型写真集「動物たちのしあわせの瞬間」をナショナルジオグラフィックから発刊。現在はニホンアナグマを集中取材中。学術的に多くの貴重なシーンの撮影に成功している。
ウェブサイト: https://topoutimages.com/
私はフィールドでの時間を一番大切にしている。フィールドで多くの時間を過ごすことで、野生動物たちの真の営みが見えてくると信じているからだ。撮影地は国内海外、山海川を問わない。好きな動物がいる場所ならどこでもよい。
しかし、野生動物の生息地へはそう簡単にアプローチできる場所は多くない。道無き道を行くこともある。そこで、常に付いてまわる問題は機材の重量のこと。撮影時の荷物はカメラザックと三脚がその中心となるが、自分ひとりで担げる重量には限りがある。私は手ブレ補正が強力なレンズでもできる限り三脚に乗せて撮影することを基本にしているので、三脚が貧弱では使い物にはならない。また、ビデオ撮影の機会が多く、ビデオ撮影用の雲台は必携だ。悩ましいことに静止画と動画の撮影が併用できる雲台がなく、制限のある取材時にはどうしてもビデオ雲台を選ぶことになってしまう。ビデオ雲台は重く、三脚との合計は8キロ弱となる。
今回使用したのはマーキンス Q20iQ-BK レバーシュー タイプの自由雲台にBV-HEADを装着したもの。これはQ20iQ-BK 自由雲台にBV-HEADを装着することでパン・ティルトヘッドとして使用するというもの。超望遠レンズ使用時の横倒れをなくした優れもので、全く新しい発想の雲台だ。
自由雲台は3ウエイの雲台などに比べると軽量小型だが、超望遠レンズ使用時にはノブを緩めた時の横倒しがいつも気になっていた。BV-HEADの装着でレンズの横倒れがないことが、こんなにも操作性の向上につながるものかと、実際に使用して驚きを禁じ得なかった。
テストは降雪時に小鳥の撮影をおこなった。各ノブは小型だが、冬用のグローブをしていても操作に問題はなかった。また、レバーシューは簡単な操作で確実に機材を止めてくれる。これも、厳冬期にはありがたい機構だ。
特筆すべきは強力なフリクションコントロールによって、好きな位置でボディーから手を離してもぴたりと止ったまま動かないこと。高価なビデオ雲台のカウンターバランスのような感覚だ。他社製の自由雲台ではいくら締めても止らず、締めすぎるとその後の微調整が効かないものが多かったが、Q20iQ-BKはそのような現象はおこらず、自由に構図調整が可能だった。
ビデオ雲台として見た時には、パンが非常に滑らかで使用しやすい。超望遠レンズでの動画撮影の場合フィックスが多いが、横方向へ飛行する鳥などを追うのにパンをよく用いる。ビデオ雲台としても注目の逸品だろう。
これで、重量は800グラムを切っている。三脚との合計重量も4kgを切る。今までの半分の重量だ。これなら、フットワークよく森を歩ける。また、その分レンズやボディーを増やすことができる。軽量というメリットは計り知れない。
BV-HEADを外し、Q20iQ-BK レバーシュー タイプ 単体では通常の自由雲台として使用できる。重量は更に軽くなるものの超望遠レンズの使用にも耐える設計の為、通常使用時でも機材を選ばない。私は現在山中でアナグマの自動撮影をおこなっている。自作の防音防水ケースは特殊な透明ガラスと長時間稼働させる為の大型バッテリー、Wi-Fi 接続用ルーターとそのバッテリーなどで10kg近くになる。重量のあるケースの脱着にはレバーシューが非常に便利だった。 このケースを大きく上向きにチルトした状態で停止させ、その後構図の微調整ができる雲台はこれまでに使ったものの中には存在しなかった。しかし、Q20iQ-BK はそれを可能にしている。これは使用したものにしか分からない画期的なことなのだ。BV-HEAD セット を使用すれば軽量な三脚システムを構築しながら、あらゆるシーンで強い見方となってくれるに違いない。
しかし、野生動物の生息地へはそう簡単にアプローチできる場所は多くない。道無き道を行くこともある。そこで、常に付いてまわる問題は機材の重量のこと。撮影時の荷物はカメラザックと三脚がその中心となるが、自分ひとりで担げる重量には限りがある。私は手ブレ補正が強力なレンズでもできる限り三脚に乗せて撮影することを基本にしているので、三脚が貧弱では使い物にはならない。また、ビデオ撮影の機会が多く、ビデオ撮影用の雲台は必携だ。悩ましいことに静止画と動画の撮影が併用できる雲台がなく、制限のある取材時にはどうしてもビデオ雲台を選ぶことになってしまう。ビデオ雲台は重く、三脚との合計は8キロ弱となる。
今回使用したのはマーキンス Q20iQ-BK レバーシュー タイプの自由雲台にBV-HEADを装着したもの。これはQ20iQ-BK 自由雲台にBV-HEADを装着することでパン・ティルトヘッドとして使用するというもの。超望遠レンズ使用時の横倒れをなくした優れもので、全く新しい発想の雲台だ。
自由雲台は3ウエイの雲台などに比べると軽量小型だが、超望遠レンズ使用時にはノブを緩めた時の横倒しがいつも気になっていた。BV-HEADの装着でレンズの横倒れがないことが、こんなにも操作性の向上につながるものかと、実際に使用して驚きを禁じ得なかった。
テストは降雪時に小鳥の撮影をおこなった。各ノブは小型だが、冬用のグローブをしていても操作に問題はなかった。また、レバーシューは簡単な操作で確実に機材を止めてくれる。これも、厳冬期にはありがたい機構だ。
特筆すべきは強力なフリクションコントロールによって、好きな位置でボディーから手を離してもぴたりと止ったまま動かないこと。高価なビデオ雲台のカウンターバランスのような感覚だ。他社製の自由雲台ではいくら締めても止らず、締めすぎるとその後の微調整が効かないものが多かったが、Q20iQ-BKはそのような現象はおこらず、自由に構図調整が可能だった。
ビデオ雲台として見た時には、パンが非常に滑らかで使用しやすい。超望遠レンズでの動画撮影の場合フィックスが多いが、横方向へ飛行する鳥などを追うのにパンをよく用いる。ビデオ雲台としても注目の逸品だろう。
これで、重量は800グラムを切っている。三脚との合計重量も4kgを切る。今までの半分の重量だ。これなら、フットワークよく森を歩ける。また、その分レンズやボディーを増やすことができる。軽量というメリットは計り知れない。
BV-HEADを外し、Q20iQ-BK レバーシュー タイプ 単体では通常の自由雲台として使用できる。重量は更に軽くなるものの超望遠レンズの使用にも耐える設計の為、通常使用時でも機材を選ばない。私は現在山中でアナグマの自動撮影をおこなっている。自作の防音防水ケースは特殊な透明ガラスと長時間稼働させる為の大型バッテリー、Wi-Fi 接続用ルーターとそのバッテリーなどで10kg近くになる。重量のあるケースの脱着にはレバーシューが非常に便利だった。 このケースを大きく上向きにチルトした状態で停止させ、その後構図の微調整ができる雲台はこれまでに使ったものの中には存在しなかった。しかし、Q20iQ-BK はそれを可能にしている。これは使用したものにしか分からない画期的なことなのだ。BV-HEAD セット を使用すれば軽量な三脚システムを構築しながら、あらゆるシーンで強い見方となってくれるに違いない。
現場写真はQ20iQ-BK を自動撮影装置のケースを乗せているところです。
● ジョウビタキ
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 7D MarkII、EF500mm F4L IS II USM
F4 1/800秒 ISO1250 絞り優先 +1補正
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 7D MarkII、EF500mm F4L IS II USM
F4 1/800秒 ISO1250 絞り優先 +1補正
● 常緑樹の森
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 5D Mark III、EF24-70mm F4L IS USM
F11 1/3秒 ISO200
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 5D Mark III、EF24-70mm F4L IS USM
F11 1/3秒 ISO200
● アナグマ
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 5Ds、EF16-35mm F4L IS USM
F11 1/15秒 ISO1600 自動撮影
≪撮影データ≫
キヤノン EOS 5Ds、EF16-35mm F4L IS USM
F11 1/15秒 ISO1600 自動撮影