光芒を求めて

2019年08月21日
風景写真家 萩原史郎
昨年の7月から志賀高原の石の湯ロッジを基地にして写真教室を開いている。志賀高原はもともと私が写真家として独立して以来通い続けている場所だが、月一回の写真教室を開くようになってからは、より深く志賀高原を見つめることができるようになっている。

中でも最近のお気に入りはカヤの平。早朝、光芒が楽しめる場所として大人気だが、これまでは運に恵まれず光芒を拝めなかった。ところが写真教室の開校以来、運が回ってきたのか、行けば必ずと言って良いほど光芒に出合える。人も羨む、いや妬むほどに(笑)。

今年の夏ももちろん光芒に出合えたが、とくに6月のそれは美しかった。現場に到着した4時半頃はまだ太陽は昇る前で、地面には霧が漂っていた。東の空は開けていたから光が射すことは間違いない。光芒も必ず来る。そんな確信の中、5時前後にはあちこちの木の隙間をぬって光芒が出現した。こうなると撮影は慌ただしい。光芒を求め、右へ左へと動き回ることになる。
マーキンス自由雲台
OM-D E-M1X/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/絞り優先AE(F8・1/1000秒)/ISO200/WB晴天
手持ち撮影が難しい暗い時間帯は三脚が必須だが、明るくなり光芒が出現し始めると、状況は刻一刻と変化する。手持ちや三脚撮影を使い分けることになるので、素早い対応ができる自由雲台は重宝する。
この時使っていたカメラは愛機の1つ、オリンパスのOM-D E-M1X。手持ち撮影の機動性と、三脚撮影による超高画質ハイレゾを一台で使い分けることができる理想的なカメラだ。そしてこの時の撮影にマーキンスの雲台が大いに役立った(いや、いつも役立つのだが)。アルカスイス互換のL型プレートを装着することで、雲台への着脱が素早くスムーズに行えるため、手持ち撮影と三脚撮影を瞬時に切り替えることできるからだ。結果、思った通りの撮影を行うことができ、私の精神的なストレスは限りなくゼロ! 慌ただしい撮影の現場でも、心地よい時間が流れているのだ。
マーキンス自由雲台
精密に構図を作りたいときや、クローズアップ写真でピントを厳密に決めなければならない状況では三脚を使うことになるが、このような写真の場合、3ウエイ雲台よりも自由雲台のほうがアングルや構図を自在に決めることができるので便利に使える。
しかしながら撮影をしていると、実は風景をじっくりと眺める、味わう、浸る、そんなことはできなくなる。優先されるのは、その瞬間の風景を、いかに短時間で効率よく、効果的な構図作りをし表現を行うかということ。素晴らしい風景を目の当たりにしているのにもったいない話だ。だからせめて心地よく流れる時間の中で撮影した写真によって、誰かがその風景を楽しんでくれたらと願うばかりだ。
マーキンス自由雲台
OM-D E-M1X/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO/絞り優先AE(F8・1/10秒・-0.3EV)/ISO200/WB晴天
オリンパスのOM-D E-M1Xには三脚ハイレゾの機能が搭載されているが、文字通り三脚を使うことが必須。マーキンスの雲台は構図決定も早く、ブレも皆無なので、この機能の性能を最大限に引き出すには最適である。
マーキンス自由雲台
マーキンス自由雲台
風景写真家 萩原史郎
萩原史郎 (はぎはら しろう)

1959年山梨県甲府市生まれ。株式会社新日本企画で「季刊(*現在は隔月刊)風景写真」の創刊に携わり、編集長・発行人を経験。退社後は風景写真家に転向し、写真誌寄稿、コンテスト審査員、写真教室講師、講演会講師、写真クラブ例会指導など幅広く行う。最新著書は写真集「色 X 旬」(風景写真出版)。写真展は2015年「色 X 情」、2019年「色 X 旬」。日本風景写真家協会(JSPA)副会長、日本風景写真協会(JNP)指導会員、オリンパス・デジタルカレッジ講師、富士フイルム・アカデミーX講師。

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