初夏の森 野鳥の姿を求める旅

2020年7月12日 北海道
野生動物写真家 野口純一
北国にようやく訪れた初夏、野鳥の姿を求め森を彷徨した。普段、主に猛獣や猛禽を追う撮影が多い私だが、美しい小鳥や愛らしい幼鳥たちの表情を観るのも大好きで、彼らを見つめる時間はいつもとても癒されていると感じている。
撮影の相棒は絶大な信頼を寄せているSONY α9Ⅱと使用レンズは主にFE600mm F4 GM OSS 。動画撮影用にカメラグランプリ2020レンズ賞を受賞したFE200-600mmF5.6-6.3 G OSS も携行した。またこの時期は野鳥たちの繁殖期にあたるので、状況に応じて被写体への影響を最小限に抑えるべく撮影用ブラインドを使用した。

複数の超望遠レンズとカメラボディ、さらに三脚に加えブラインドまで背負って行くとなると、ほんの僅かな荷物の重さも削減したくなり、携行品はとにかく小型軽量性を重視する。だが超望遠撮影、そして動画での撮影までをも考慮すると三脚に機材をセットした時の安定感・精密な作動は絶対に譲れない。

ここで迷う事無く選んだ雲台がマーキンスのQ20iQ-BKBV-HEAD。驚異的な対荷重表記の通り、600mmx2倍テレコン併用の超望遠撮影でも安心してカメラを委ねられる安定感があり、小刻みに動き回る野鳥の動きにも滑らかな作動で追従できる。また狭いブラインドの中でも各ノブの操作性が良好で撮影していてストレスを感じる事がない。
アルカスイス互換 自由雲台
SONY α9Ⅱ / Markins Q20iQ-BK & BV-HEAD
アカショウビンの撮影では夜明け前にブラインドを設置、中に籠って僅かに開いた覗き窓からひたすら被写体が現れるのを待ち続ける。そしてやっと姿を現し、小移動を繰り返すアカショウビンに合わせレンズをそっと振り撮影していく。この狭い空間内で小移動に合わせていくというのがなかなか厄介なところだが、Q20iQ-BK & BV-HEAD の操作性の良さと可動域の広さのおかげでストレスを感じる事なく撮影が出来、希少な野鳥との出会いの時間を存分に楽しむ事が出来た。
またエゾフクロウやオオコノハズクの撮影では、樹々の葉の隙間から被写体の顔が見える場所を探し、自分自身が絶えず小移動を繰り返すこともある。超望遠レンズ&カメラボディを雲台にセットしたまま三脚ごと抱えて森の中(時には急斜面を)を移動し、揺れる葉の隙間から被写体を抜ける瞬間を撮影する。そしてさらに良いポジションを求め可能な限り音を立てずにゆっくり動いていくのだが、重量物を抱えて不整地をゆっくり動くというのはある種のトレーニングに近い負荷が掛る動きなので、Q20iQ-BK & BV-HEADの軽量性にここでも助けられている。

カメラや雲台の存在・操作に意識を囚われること無く、自分の心身にゆとりある状態で静かに野鳥たちと向き合う時間はほんとうに至福のものだと感じる。
撮影を終え、静かな森の野鳥たちの営みがこれからもずっと続いてゆくよう願って森を後にした。
エゾフクロウ幼鳥
α9Ⅱ / SEL600F40GM & 2X / F8 1/200秒 ISO3200 +0.7EV
オオコノハズク幼鳥
α9Ⅱ / SEL600F40GM & 1.4X / F5.6 1/1600秒 ISO3200 +1.0EV
写真家 野口純一
野口純一
1968年埼玉県生まれ。二輪・四輪エンジニアの経験を経て、自然の中で暮らしたい想いを強め2000年に北海道に移住。道内の野生動物の撮影を始める。以降「自然の中に生きる生命の力」をテーマに世界各地で撮影を続けている。
日本写真家協会(JPS)会員
日本自然科学写真協会(SSP)会員
ウェブサイト: www.junsetsusha.com