早春のニュージーランドを旅して

2019年10月07日
写真家 中西敏貴
9月上旬、まだまだ暑さの残る日本を飛び出して、春の始まったニュージーランドへと向かった。今回の目的地は南島。クライストチャーチやクイーンズタウンでは桜が咲き始め春の様相を見せつつも、山岳地帯へと向かうとまだまだそこは冬。氷河によって作り上げられた大地の造形美を求めて、いつもの赤いマーキンスと共に巡った。
マーキンス自由雲台
旅の起点はクイーンズタウン。女王が住むに相応しい町というだけあり、それは美しい町。夜景の向こうには湖と雪山が控え、まるで絵に描いたような場所だ。まだ明るいうちから山頂へと向かい、赤いマーキンスに愛用のEOS Rをセット。刻々と変わっていく色合いをブレなく正確に捉えていく。
マーキンス自由雲台
マーキンス自由雲台
日が暮れてからは南十字星も狙った。月齢の関係で地上が明るく映し出され、新月とは違った写真に仕上がった。あたりが暗くなると、マーキンス雲台の便利さを実感する時だ。L型プレートを溝に滑らせ、ノブを回すだけで確実にカメラが固定される。たとえ真っ暗闇でも、その装着性は変わらない。現場ではちょっとしたことがミスにつながりやすい。こうした基本的なところの安心感は、とても重要なことだ。
マーキンス自由雲台
ワナカ湖畔にある有名な一本の木。前日はこの近くに宿を取り、日の出前からその時を待った。上空に広がる雲のわずかな隙間から、オレンジ色の朝日が射す、その一瞬をだ。時間にして1分もなかっただろう。まるで秋のような色合いに辺りを染め上げて、すぐにグレー一色の世界に戻っていった。風景の出会いは一瞬だ。予測していないとその瞬間を撮り逃してしまう。その動きに対応するためには3WAY雲台では不可能だ。安定、操作性、速写性を求めるならば、自由雲台しか選択の余地はない。
マーキンス自由雲台
マーキンス自由雲台
北海道とニュージーランドは似ているようでやはり違う。どうやら大地の成り立ちが異なるようだ。僕はここへしばらく通ってみようと思う。もちろん、愛用の赤いマーキンスと一緒にだ。次は来春。ニュージーランドは秋だ。その時に、またこうしたレポートをお届けできたらいいと思っている。

最近国内では随分と赤い色のマーキンスを見かけるようになった。撮影現場で会うと、赤ですね、という会話もよく聞く。オススメしてきた僕にとってもとても嬉しいことだ。いつの日か、赤いマーキンスをずらっと並べた写真を撮ってみたいと、妄想している日々だ。
写真家 中西敏貴
中西敏貴

1971年生まれ。在学中から北海道へと通い続け、2012年に撮影拠点である美瑛町へ移住し写真作家としての活動を開始。そこに住まう者としての視点を重視しつつ、農、光、造形を主なテーマとして作品制作を続ける。
日本風景写真家協会会員、日本風景写真協会指導会員、Mind Shift GEARアンバサダー、Haglöfsフレンズ

ウェブサイト: https://www.toshikinakanishi.com/
note: https://note.mu/toshikinakanishi

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