JR只見線、まもなく全線復旧!

2022年08月22日
鉄道写真家 長根広和
鉄道写真家 長根広和
2022年10月1日にJR只見線が全線復旧をする。JR只見線は福島県の会津若松駅から新潟県の小出駅を結ぶ全長135.2kmの路線。只見川に沿うように奥会津といわれる美しい風景の中を走り、ローカル線人気ランキングでは常に上位にランクインする。紫色のアーチ橋で知られる第一只見川橋梁は只見線を代表する鉄道風景であり、今では観光地として四季を通してにぎわいをみせている。

現在、只見線は会津川口駅~只見駅間が不通となっている。これは、2011年7月に発生した新潟・福島豪雨により被災したためで、多くの橋梁が流出するなど廃線の危機に陥った。その後、福島県や沿線自治体、そして沿線住民や多くの只見線ファンたちの復旧への想いがひとつになって、まもなくの10月1日に11年の歳月を経て全線復旧をする。

日本全国の鉄道を撮影してきたが、被写体として見た只見線は全国トップクラスの美しさと言っても過言ではない。春は桜に始まり、水鏡が美しい田園風景に魅了される。夏は只見川の風物詩である川霧に心奪われ、秋は鮮烈な紅葉に酔いしれる。冬は豪雪に包まれる厳しい時期ではあるが、奥会津の皆さんの温かい心にホッとする。

そんな大好きな只見線であるが、復旧を前に試運転が行われているので早速マーキンスとともに撮影に出かけた。「マーキンス現場便り」の記事ゆえにこうして書いているが、マーキンスの雲台に出合ってから4年が経ち、撮影中はもう身体の一部のような存在となっている。マーキンスの雲台以前は3ウェイ雲台が一番だと思い込んでいたが、今ではすっかりポリシーが変わってしまった自分に驚いている。現在、三脚撮影時においてのマーキンス使用率は99%といったところ。常に「マーキンス現場便り」である。(笑)

復旧区間は流出してしまった橋梁が美しく架け替えられ、その姿を見るだけで感無量なのだが、試運転列車であっても実際に車両が走行しているシーンを見ると、目頭が熱くなってしまう。

11年という長い時を経た、まさに「只見線の奇跡」。全線復旧がゴールではなく、まさしく只見線のリスタートだ。これからが正念場であり、永遠にこの美しい路線が存続するために、私も微力ながら写真の力を信じて応援し続けたいと思っている。乗車はもちろん、鉄道撮影や奥会津観光を楽しみに、ぜひ只見線へお出かけください。
鉄道写真家 長根広和
只見線沿線には桜がとても多い。開通を祝うかのように今年の咲きぶりは見事であった。
Canon EOS R5 / RF15-35mm F2.8 L IS USM / F11 1/1000秒 ISO-1600
鉄道写真家 長根広和
只見線夏の風物詩といえば只見川の川霧。この第一只見川橋梁の川霧シーンを一度は見てもらいたい。
Canon EOS R5 / RF24-105mm F4 L IS USM / F8 1/400秒 ISO-800
鉄道写真家 長根広和
新潟県側の一番のビュースポットは、六十里越えにある浅草岳の雄姿。
Canon EOS R5 / RF24-70mm F2.8 L IS USM / F11 1/640秒 ISO-400
鉄道写真家 長根広和
雪深い奥会津であるが、温かい人情があふれるステキなふるさとである。
Canon EOS R5 / RF70-200mm F2.8 L IS USM / F4.5 1/320秒 ISO-6400
鉄道写真家 長根広和
復旧エリアで最初に渡る第五只見川橋梁。この試運転列車を見た時の感動は一生忘れない。
Canon EOS R7 / RF15-35mm F2.8 L IS USM / F11 1/640秒 ISO-800
鉄道写真家 長根広和
ここも復旧エリアである本名の集落。心がホッとする奥会津の美しき風景だ。
Canon EOS R5 / RF24-70mm F2.8 L IS USM / F11 1/640秒 ISO-800
鉄道写真家 長根広和
長根広和

1974年横浜生まれ。武蔵工業大学(現 東京都市大学)工学部機械科卒業後、鉄道写真家・真島満秀氏に師事。2009年真島満秀写真事務所を継承し、現在(有)マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ代表取締役。青春18きっぷなどのJRポスターや、鉄道誌、カメラ誌などで作品を発表。JTB時刻表の表紙写真を会社として毎月担当し、鉄道ダイヤ情報グラビアページにて「鉄道瞬景」を連載中。デジタルカメラマガジン2022年10月号より「ニッポン絶景路線攻略ガイド」を連載開始。「列車の音が聞こえてくるような作品」をモットーに日本全国の鉄道を追いかけている。
日本写真家協会(JPS)会員
日本鉄道写真作家協会(JRPS)副会長

ウェブサイト: http://hirokazu-nagane.com/