霧氷を求め大台ケ原へ

2019年11月29日
写真家 高橋良典
紅葉シーズンは風景写真家にとって心躍る季節。そして秋のピークを過ぎ、冬の入口へと向かう季節の移ろいにも心惹かれる。また私の主な撮影フィールド奈良県は海抜1500mを超える山岳エリアを擁するため、11月でも時として真冬のような風景に出くわすこともある。11月下旬、寒気が流れ込むとの予報に日本百名山の一つ、奈良県上北山村の大台ケ原を訪れるとそこは一面の銀世界!気温マイナス7度、強風の中での撮影をマーキンスがサポートしてくれる。
マーキンス自由雲台
3ウェイ雲台信者だった私がマーキンス自由雲台 Q10i-BK を使い始めてからちょうど1年が経過。今となっては建造物などのごく一部を除き、撮影のほとんどを自由雲台でこなすようになった。その魅力は、やはり構図決定までのスピード感。一つのノブで全方向へカメラの向きを変えられるということはチャンスに強いと言える。

気温が低くなるこの季節、手袋をつけていても、大型ノブは操作感が良く、かつ角がないので持ち運び時、枝などに引っかかりにくいところもグッドだ。

長らく3ウェイに慣れ親しんでいた私が自由雲台にシフトできたのは、その苦手意識がなくなったことが大きい。従来、私の自由雲台へのイメージは不安定で開放ネジを緩めたとたんにガクンとカメラが傾く等、むしろ構図決定がしにくい印象であったのだが、それを払拭してくれたのが半固定状態でもしっかり止まり微調整自在なマーキンスであった。

私のメインカメラは2019年9月に発売されたソニーα7RⅣ。それまで使っていたα7RⅢとボディ形状が変わり、α7RⅣ用L-プレートの発売を待ちわびていたところ11月下旬に専用プレート PS-A92LS-A92 が発売された。α7RⅢ用でも流用は可能だったのだが、ボディ形状に沿うように作られた専用設計のものはやはり寸分のズレもなく快適だ。プレートが変更されても、ケーブルレリーズ使用時の問題は全く無く、縦位置撮影時でもプレートのセンターをわずかにずらせばレリーズと雲台が干渉することはない。マーキンスのプレートは肉薄で軽いのに剛性が高い点も気に入っている。

話は逸れるが、実は初秋の撮影時、カメラを載せていない状態ではあるが、ぬかるみに三脚を倒してしまったことがある。その場ですぐにふき取ったが、その後、動きにスムーズさを欠き、引っかかるような感じに。おそらくボール部分に砂を噛んでしまったのだろう。メンテナンスに出そうかと考えたが、帰宅後、雲台の説明書に従い、ボール部分をふき取り、指定の潤滑剤 WD-40を塗り込む。そして乾拭きを試みたところ見事に滑らかさが復活した!道具としてどんなに優秀でもデリケートすぎて手入れが面倒だと意味がない。これをきっかけにメンテナンス性の良さがわかり、さらにマーキンスを気に入ることになった。

ただ、念のためにタイミングをみてオーバーホールに出そうと思っている。これは、一度沼などに落とした場合に内部に入り込んだ泥などが抜けきらず、のちのちトラブルの原因になりうるとアドバイスを受けたからで、参考なれば幸いである。

いよいよ本格的な冬の訪れ。低温下でもスムーズに動作してくれることは現場で実証済みだ。
一年のうち最も好きな季節をマーキンスとともに巡りたいと思う。
マーキンス自由雲台
マーキンス自由雲台
風景写真家 高橋良典
高橋良典

1970年、奈良県生まれ・奈良県在住。高校の頃から写真家を志し卒業後に上京。奈良をいったん 離れるが、東京で暮らすことによって改めて奈良の魅力に気づく。「自分が生まれ育った 奈良を写真に残し、その魅力を数多くの人に知って欲しい。」との想いから、1991年、東京工芸大学短期大学部を卒業後、生まれ故郷の奈良に戻り、大阪のフォトライブラリーで勤務する傍ら、撮影に励む。
2000年フリーの写真家となり、写真事務所「フォト春日」を設立。パンフレット・カレンダー・観光ポスター等へ風景写真を中心とした作品を提供。写真雑誌や出版物への写真提供及び原稿執筆を行う。また、奈良県の撮影と併行して国内各地にて自然の織りなす旋律をテーマに撮影を続けている。

日本写真家協会(JPS)会員
日本風景写真家協会会員
奈良県美術人協会会員