夏の北陸へ

2022年7月22日~25日 富山県、福井県
写真家 高橋良典
今夏は異例の早い梅雨明け宣言に加えて6月下旬からの猛暑。かと思えば7月に入ると全国各地で戻り梅雨のような天候不順。天気が全く読めない中ではあったが富山県の立山を訪れた。立山は公共交通機関を使って雲上の別天地までアクセスが可能だ。

1日目~2日目は本降りではないものの雨が混ざる天候。入っては消える霧に風景の旋律を感じながらの撮影となった。チングルマの花を前ボケにするため三脚をローアングルに構える。
写真家 高橋良典
SONY α7R IV / FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS / F5.6 1/250秒 ISO-400
絞りは開放、手持ち撮影も可能なシャッタースピードとも言えるが、霧の動きは案外早く、木の背景が理想的な状況になってからカメラを構えたのではシャッターチャンスを逃してしまう。また重量級の100-400mm望遠ズームレンズを構え続けるのも負担がかかる。このような時はやはり三脚の出番、構図をあらかじめ決めておき霧のタイミングに合わせてシャッターを切る。

望遠になるほどカメラを少し振っただけで画面が大きく動くので雲台操作には繊細さが求められるが、それに応えてくれるのがマーキンス。私は耐荷重に余裕のある Q10i-BK を愛用している。まずはノブを緩めて大まかにフレーミング、そこから雲台が半固定状態になるようノブを少し締めてから構図を追い込む。この半固定状態での安定性が心地よい撮影を可能にしてくれる。
写真家 高橋良典
3日目は不安定な天候続きの中、晴天に恵まれ、気持ちの良い青空風景とチングルマの群生を描く事が出来た。画角の広い超広角域でのフレーミングも画面の四隅まで気を配る必要があり繊細さが要求される。望遠でも広角でも雲台操作は変わらずスムーズだ。
写真家 高橋良典
SONY α7R IV / FE16-35mm F2.8 GM / F16 1/45秒 ISO-400
4日目は曇りがちのなか時折薄日が差す天候。立山から下山した翌日は山麓の称名滝へと向かう。落差日本一の滝は水量も圧倒的で水煙の様子がそれを物語る。その迫力を捉えるべく高速シャッターで流れを写し止めた。滝の流れは一見、一定のように見えるが実はそうではない。水が多く流れる時、少なくなる時を繰り返す中、水煙の形まで意識してチャンスを伺うにはカメラを固定しておく必要がある。日差しの有無もあり、結果的に同じ場所で1時間ほど撮影していた。
写真家 高橋良典
SONY α7R IV / FE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS / F5.6 1/2000秒 ISO-400
写真家 高橋良典
そして最近使い始めたのがSEL100400GMレンズに対応したレンズフット LS-20 だ。標準の三脚座にプレートを付けていた状態より重心が低くなることで安定感が増すと共に、三脚座が低くなることでバッグへの収納性が良くなった。
写真家 高橋良典
称名滝での撮影を終えた後、奈良の自宅方面へと車を走らせるが、福井県の龍双ケ滝が気になり立ち寄ることにした。夕方の光に照らされるギリギリのタイミングに間にあったが、滝が日陰になるまであまり時間が無い。スピーディーさが要求される撮影では、ノブを1回転強回すだけで素早く着脱ができるクイックターンノブとアルカスイス互換のプレートがとても便利だと感じる。

この頃はアルカスイス互換の製品も多いが、やはりマーキンス同士の組み合わせがベストだ。もちろん縦横の切り替えも申し分ない。さらに付け加えると、マーキンスのプレートはやや丸みを帯びた処理がされているので、手持ち撮影の際、肩からぶら下げておいても邪魔にならないのが気に入っている。
写真家 高橋良典
SONY α7R IV / FE16-35mm F2.8 GM / F11 0.5秒 ISO-200
滝の上部と下部に輝度差があるためソフトタイプのハーフNDフィルターを使用して明暗バランスを調整して撮影している。フィルターワークにおいてもマーキンス雲台と三脚は無くてはならないものだ。
写真家 高橋良典
4日間という短い日程ではあったもののまずまず天候に恵まれたことを感謝して帰宅の途についた。
写真家 高橋良典
高橋良典

1970年、奈良県生まれ。2000年フリーの写真家として独立、写真事務所「フォト春日」を設立。風景写真を中心とした作品をカレンダー・観光ポスター等へ提供。また写真雑誌や出版物への写真提供及び原稿執筆を行う。生まれ育った奈良県の撮影と併行して国内各地にて自然の織りなす旋律をテーマに撮影を続けている。
日本写真家協会(JPS)会員
日本風景写真家協会(JSPA)会員

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