鳥越章夫 (自由雲台)


テーマ
自然風景撮影 (自由雲台)
撮影者
自然風景写真家・鳥越章夫
撮影日付
2012年06月27-28日
撮影場所
尾瀬ヶ原
撮影機材
マーキンス
ソニー
α55, α77, Vario-Sonnar T* DT16-80mmF3.5-4.5ZA
ミノルタ
AFズーム70-200mmF2.8G(D)SSM
SIGMA
10-20mm F4-5.6 EXDC
ジッツォ
エクスプローラー GT2540EX
レビュー
鳥越章夫 (とりこし あきお)

1968年、神奈川県生まれ。静岡大学工学部大学院卒業後、大手情報機器メーカー入社。 その後、退職してフリー写真家となる。
日本の美しい自然に惹かれ、カメラのレンズを向ける。
絵画調のソフトな作風を得意とし、雑誌への記事執筆、企業カレンダー、パンフレットなどに自然写真を提供。
撮影からデジタル処理まで幅広く扱い、アマチュア向けの写真教室・レタッチ教室も開催している。
ウェブサイト: http://tory.com/

私は登山などで体力を維持するために、三脚に取り付ける雲台はパーン雲台に比べて軽量コンパクトな自由雲台を使ってきました。

様々なメーカーの製品を使ってきましたが、今回マーキンス製品を取り寄せて尾瀬の取材で使って見ました。

製品を開けて見ると、つや消しブラックの落ち着いた高級感のある風貌が印象的です。 また、大きさも大変コンパクトで手のひらにすっぽりと収まります。

重量は380gほどで、今回比較したパーン雲台が750gほどありますから、実に1/2も軽いことになりますので、これは大変ありがたいことです。

ザックへの取り外しも、パーン雲台では棒が邪魔になりますが、突起物の少ないマーキンス自由雲台であれば邪魔になることもありません。

クイックシューが最初から標準装備されているのも助かります。

登山中の撮影では、朝霧など急な天候の変化に対応するために、行動中はカメラを三脚+雲台から外して首から提げておき、即座に撮影できるようにしています。

そして三脚が必要な状況になれば、これもまた素早く装着して撮影体勢に入れるようにしなければなりません。

そのためにはネジ止めではなく、手間のかからないクイックシューが必須になります。

従来の自由雲台では、別途クイックシューのコルク面にネジ止めしていたため若干のたわみが生じ、撮影精度に狂いが生じていました。

その点マーキンスの自由雲台は、クイックシューがボールに直に装着されているため、ブレの生じる余地がありません。

ノブ式のクイックシューは、プレートの固定が確実で、さらにVR-ホルダーなどマーキンスの全ての製品にフィットし、システムの一貫性が保たれています。

軽量コンパクトなためにパーン雲台に比べて頼りない印象を持たれるかも知れませんが、固定力は抜群です。

望遠レンズでも軽くダイヤルを回すだけで、ファインダーに映る像が確実に固定されるので、撮影のリズムが阻害されず大変気持ちが良いです。

作例写真のように森の中で大樹を見上げて撮影するような不安定なアングルでもこの自由雲台であればブレることなく確実にシャープな映像を撮影することができます。

これは、大型のボールを採用し高い工作精度を実現しているためと思われます。

そのボールの動きは大変滑らかで、ダイヤルの回し具合でフリクション(摩擦力)も調整することができ、軽いレンズから重い望遠レンズまで確実な操作性と固定力でサポートしてくれます。

メインダイヤルとは別にパンニング用のダイヤルが独立してあるため、パノラマ撮影の時には有効です。

また、雲台のベースには角度目盛りが刻まれているため正確なパノラマ撮影をする時に役立ちます。さらにはクイックシューのベース部分に水準器が付いているのも嬉しいですね。

パノラマ撮影の時や、最近増えてきた動画撮影を行う時には、事前にカメラを水平にセットする必要がありますので、これが大変有効なのです。

自由雲台の長所である軽量コンパクトさを実現しているのはもとより、強度面でも操作性の面でも高い次元のパフォーマンスを実現しているマーキンスの自由雲台は、私にとって十分に満足のゆくツールです。

以下、Markins Q3 の効果を実地撮影で検証してみましたので、作例写真とともに紹介します。




● 作例1

≪撮影データ≫
SONY α55 + ミノルタAFズーム70-200mmF2.8G(D)SSM
ISO200, F2.8, 1/500秒, 135mm
尾瀬ヶ原のワタスゲとレンゲツツジです。木道から動くことができないため、望遠レンズでの撮影です。ローアングルの不安定な体勢ですが、確実に構図を固定することができました。



● 作例2

≪撮影データ≫
SONY α55 + ミノルタAFズーム70-200mmF2.8G(D)SSM
ISO200, F4, 1/250秒, 200mm
尾瀬ヶ原のヒメシャクナゲです。かなりクローズアップしているため、構図の決定が難しく、ブレも心配ですが、安心して撮影することができました。



● 作例3

≪撮影データ≫
SONY α77 + SIGMA 10-20mm F4-5.6 EXDC
ISO100, F8, 4秒, 12mm
ブナ林で巨木を見上げての撮影です。極端なローアングルやハイアングルではカメラのバランスが不安定になり、自由雲台では不安になることがありますが、マーキンスの自由雲台は確実な固定力で撮影をサポートしてくれます。



● 作例4

≪撮影データ≫
SONY α77 + Vario-Sonnar T* DT16-80mmF3.5-4.5ZA
ISO100, F8, 250秒, 40mm
朝霧が突然晴れ始め、尾瀬ヶ原の風景が目の前に広がり始めました。クイックシューを装備し、素早く着脱できるマーキンスの自由雲台だからこそ、撮影に間に合ったと言えるでしょう。




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